047807 ランダム
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★Latchkey Child★

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ごめんなさい


ワタシは、誰かに何か理不尽なことを言われると無口になる。

あなたの時もそうだった。

「お前が悪いんだろう」

・・・・・・そうかもしれないけど、そんなこといわなくてもいいやん。

いつもそう思う。

毎回、繰り返されるけんか。

絶え間ないあなたの声。

「悪いこと知ってるのに、なんでするんだ」

「・・・・・・・」

答えられなかった。

あたっていた。

でも、「ごめんなさい」がいえなかった。


ずっと無口。

「もういいよ。もうこれっきりだな」

そう言ってあなたは部屋を出て行った。

一人きり、何もない部屋に。

たったひとり・・・・。

怖い・・・・あなたの声が聞こえない。

沈黙が波になって

ワタシの、頭に

ワタシの、肩に、

ワタシの、ココロに

重たくのしかかる。

怖い・・・自分がいなくなってしまいそうな恐怖感。

窓をあける、新鮮な風・・・それでも息苦しさはとれない。

怖い・・・誰か助けて。

何度も深呼吸する。

でも、それでも、息苦しい。

「はぁ・・はぁ・・・ぜぇっ・・・ぜぇっ」

声にならない声・・・。

もう誰も助けてくれない気がする。

かぎをかけたはずの、ドアが開いて。

心配そうなあなたの顔が見えた。

手際よく紙袋を用意してくれる。

いつもの方法。

「だいじょうぶ、だいじょうぶ」

何度も、そういって背中をさすってくれる。

・・・・あぁ・・・生きてる・・・。

息を吸い込むたびに思い出す。

あなたの手のぬくもりや、優しさを。

「もうだいじょうぶ?話せる?」

・・・・・あなたを失ってはいけない。

誰かがおしえてくれた。

「自分から謝るのも大事だよ」

・・紙袋を、口からゆっくり離す。

「ん?もう大丈夫か?よかったなぁ~。」

さっきまでのことなんて知らない顔。

「ごめんなさい。もうしません」

子供みたいに謝るワタシにあなたは。

その大きな優しい腕で抱きしめてくれた。

「うん、ぼくもごめんね」って・・・。


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